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お気に入りフレーズ『道元「典座教訓」』

道元『典座教訓』
— 禅の食事と心 —
藤井宗哲訳・解説 
角川ソフィア文庫
20p.〜
米をといだり、野菜を調理する時は、典座みずから、親切丁寧に仕事をしていくのは言うまでもない。寸心も疎かにせず、手抜きをしたり、怠ったり、心に緩みが生じて気を散らしたり、一つのことは密々にするが、他のことはいいかげん、というようなことがあってはいけない。功徳の大海は一滴ずつ寄り集まって広がり、善根の山も塵が積み重なって生じるのだ。だからこそ、一滴一塵も疎かにできない。
25p.〜
 たとえば、今日は遠い所へ托鉢、遠鉢というが、そういう日には疲れて戻ってくるだろうから、三色揚げにするか。春菊、人参の湯葉巻き揚げ、豆腐のごままぶし揚げ。時には紅しょうがの薄衣揚げとか。これは夏場だけだが、雪の下を揚げたりもする。さっぱりとした天地の味で、案外評判がいい。